冬に出会ったゴキブリの話

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そのゴキブリは私に何を願ったのか…

ゲームを長く遊びすぎて疲れ果て知らぬ間に落ちた眠りから目覚めた時、ふと目の前を見ると”滋賀近江牛カレーパン”なるものの袋の上にちょこんといる一匹のゴキブリが目に入りました。

ゴキブリを愛でる趣味はないので手でシッと追い払う仕草をしたのですがそのゴキブリは全く微動だにしません。死んでいるのかな?と思ってジッと見ると触覚が右左に動いていて生きてはいるようです。

山育ちでムカデやらゲジゲジが部屋を悠然と横断していくような所で過ごした私が今更ゴキブリ程度の存在で喚き立てたりはしませんが生活の邪魔であることは間違いありません。

そこでどうやって目の前のゴキブリをどかそうかと思案した結果ティッシュペーパーを幾重にも重ねてゴキブリの上からエイっとかぶせて生け捕りにすることにしました。

生け捕りといっても捕まえた後どうにかする訳でもなくただそのままゴミ入れに放り込むだけです。

という事で特に何も大きな出来事などなく淡々と目の前にいたゴキブリは排除されました。それにしてもあのゴキブリはどうして何の抵抗もせず私に捕まるままにされていたのでしょう。

ゴキブリが冬を越す生き物なのかそれとも死に絶えてしまう生き物なのか分かりませんが、寒さで動きの鈍ったゴキブリがこれから来る厳しい冬の季節に悲観して安楽な死を望んだ…そういう風に思えてなりません。

ハイ。いささかゴキブリ如きに感情移入しすぎですね。分かっています。ただただ寒くて動けないだけだった、本当にそれだけの事なのでしょう。

ただそれにしても逃げる素振りを全く見せず、生きることに対して執着を感じさせない一匹のゴキブリの存在がなんだか不思議でとても心に残っているのです。

生きているのに生きることに執着を見せなかった…。

何で?何で逃げなかったの?生きたくなかったの?なんでなんでなんで…なんでなんだろう。

せめてほんの僅かでも逃げる素振りを、生への執着を見せてくれればゴキブリ1匹にこんなにも心を囚われることはなかったのに。

冬に出会ったゴキブリは何だか少し切なく悲しかった…そんなお話。

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雑記
萎えと飽きの狭間で

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